ニジイロクワガタ(ノーマル)飼育[産卵・幼虫・蛹・成虫]
クワガタにハマり始め、手始めにニジイロクワガタを買いました!
初めての外国産クワガタブリードです!
ニジイロクワガタは外国産クワガタ初心者に人気。
温度耐久性も高く、寿命も長く、卵もよく産むらしく、飼育しやすい種類だそう。
成虫飼育を堪能しつつ、産卵もさせて、幼虫飼育してふやしてみまーす。
ニジイロクワガタとは
「世界一美しいクワガタ」といわれています。
日本のタマムシのような美しい光沢をもつボディ。
緑色に光りつつも、ピンク、オレンジ、イエローと見る角度によってさまざまに色を変え、名前どおり虹色のように光ります。
見た目に、とても美しいクワガタです。

ニジイロクワガタのオス(ノーマルカラー)
ブリード種ではカラーリングも豊富にあります。
ニジイロクワガタのカラーリング
- ノーマル
- 紫紺(しこん)
- ピンク
- グリーン
- オレンジ(ゴールドっぽいやつ)
- ブルー
あとピカールっていう、体のピカピカが強い個体もいて人気です。
ちなみにブルーは完全な青ではなく、青みが強い緑のような、紫紺のようなやつ。まだ完全なブルー個体はこの世には存在しないらしい。(ヤフオクのサムネールにはなぜかよく存在している。)
アゴの形も国内のクワガタにはみられない、上向いた形状をしており、とてもユニーク。
外国産クワガタの入門種として有名です。
外国産クワガタ初心者に、とてもよいとされる理由はこれ。
- はさむ力が強くない
子供のケガが少ない。外国産ヒラタとかふつうにケガするらしい - 高温、低温に強い
亜熱帯種だが日本の室内でギリギリ常温飼育できる(外での飼育は無理) - 家族に飼育許可を得やすい
色合いが美しいため。家族の許可はリアルに切実な問題です
たしかに、わが家の虫嫌いな妻もニジロクワガタは、気さくにOKだしてくれた
学名
「ファラクログナトゥス ムエルレリ」と読むらしいです。舌噛むわ。

「オッス!おいら、ファラクログナトゥス ムエルレリ!」
ファラクログナトゥスは学者の名前なのかな?
ちなみに英名は「Rainbow beetle(レインボービートル)」だそう。そのまんまで安心した。
生息地
オーストラリアのクイーンズランド州の森に生息しています。
非常に希少なクワガタで、なんと現地では保護され捕獲できません。
また生息地では見つけるのがとても難しい(朽木などに隠れていることが多いらしい)クワガタなのだそうです。
ホームセンターにいるからって、ナメてかかってはいけない。
あんなきれいに輝いているのに朽木に隠れているんかいな……
とは、私、個人の正直な疑問。
私が読んだ本が古い図鑑だったからかもしれません(1983年の子供向け図鑑だった)。おそらく、当時は現地でも、まだ観察例が十分じゃなかったのかもしれないです。
- 日本では養殖個体が買える
- すばらしいことに、この希少なクワガタが日本ではふつうに買えてしまうんですよね〜。それは、なぜかというと国内のクワガタブリーダーさんたちが熱心に養殖をしつづけているからです。
ニジイロクワガタは日本に入ってきた当初100万円くらいで取引されていたそう!それが今や5000円程度、安いと3000円で買えてしまうのは、日本のブリーダーさんたちの情熱あってこそ。オーストラリアからの野外品は、はいってこないので、国内のニジイロクワガタはすべて養殖物ということになります。
大きさ
よくあるサイズはこれくらい。
- オス……3〜6センチくらい(最大は70mm)
- メス……3〜4センチくらい(最大は45.9mm)
参考としてはオスで5.5センチくらいあると、長歯でいい感じのかたちしてます。

うちのオスは60mmくらい
ちなみに最大サイズ記録は70ミリといわれています。
7センチ以上のニジイロクワガタがいたら、それは新記録サイズかもしれない
寿命
クワガタの中では長命なニジイロクワガタ。
長生きです。ひと夏で死んでしまう日本のカブトムシとはちがい、だいたい1年くらいは生きます。
状態がいいと、2年ちかく生きるものもいるそうです
卵〜羽化までの期間
ニジイロクワガタはわりあい育つのが早いらしく、ゆっくりでも8ヶ月くらいあれば羽化までいくそう。
ニジイロクワガタの卵〜羽化期間
- オス……5〜8ヶ月
- メス……4〜7ヶ月
早いとだいたい小型のやつで、遅いやつのほうが大型になるらしいです。
飼育記録
ここからは私の飼ったニジイロクワガタの飼育記録。
購入|2023/11/05

最初はグッピーを買っていた飼育ボトルで意気揚々とテラリウム風にしていたが、程なくして息子に破壊されたため、現在は小さなケースで飼育してます
楽天ポイントが貯まったときに、 DDA ism さんで購入しました。
初めてだから、ちょっといいサイズのやつ買おうと、オス60upサイズを購入(そのときはペア3900円送料別でした)。
沖縄でも問題なく、元気に届きました。
(購入したのは秋。)
22年8月羽化の個体なので、23年の夏くらいが寿命かな?
うまいこと24年まで生きてほしいものです。
成虫飼育
基本的にはふつうのクワガタといっしょです。
飼育ケースにオガクズいれて、止まり木いれて、昆虫ゼリーあげればOK。

クワガタ飼育ケース。掃除前で汚くてごめんなさい。
よく排泄(おしっこ)するので、大変じゃなければマメに掃除して、マット交換するといいです。
私はマットじゃなくて赤松チップをいれてる(なんとなく)ので、けっこう頻繁に掃除してる気がする……。
ニジイロクワガタは昼行性

息子にもてあそばれるニジイロクワガタ
ふつうのクワガタとちがうのは昼行性らしく、昼間に動き回るそうです。
が、うちのニジイロクワガタは夜のほうが、わりあい活発です。
おそらく警戒心が強く、昼間というよりは、静かな環境のときにそろそろと動き回るのではないかと推測。
うちは日中、子供たちが動き回ってるので、隠れてるんじゃないかな、と。
平日昼間、子どもらが保育園にいってると、たしかに餌を食べている姿をよく見かけます
常温飼育もできる
これがいいよね。
温度管理はとくにせず常温飼育。
沖縄の室内飼育で、夏場は30度くらい、春・秋が25度くらい、冬場は寒くて13度。
だいたい17度を下回ると、動かないでじっとしている時間が増え、20度くらいから餌をよく食べるようになります。
活発なのは23度以上なイメージ
沖縄じゃなくても、冬場10度くらいなら耐えるそうです。
室内気温だと10度以下になることは、なかなか少ないと思うので、冬場もなるべく暖かい部屋に置けば、生きていてくれるはずです。
※湿度はよくわからないですが、クイーンズランド州は亜熱帯らしいので、沖縄と同等でだいたい80%くらいが適正なのかなー。(ケース内が乾いてきたら霧吹きしてます。)
オスがメスを追いかける……
ニジイロクワガタは比較的、交尾をさせやすいクワガタのようです。

冬場でもご熱心に、ことをいたしておりました
交尾のためにオスがメスを追いかけ回すので、メスが弱ってしまわないよう、産卵目的のとき以外は別々に飼育したほうが長生きするとのこと。
うちもいっしょにしてたら、オスがずっと交尾しようとメスにつかまってて、メスがうまく餌を食べれない感じでした。(途中から別々で飼育するようにしました)
産卵セット|2022/12/12
産卵はマットを固めてもいいし、カワラタケの菌糸ボトルを使ってもいいようです。
カワラタケのほうが産みがよさそうだったので、ちょっと値段高くなりますが、カワラタケ菌糸ブロックを買って、そのまま産卵セットとしてつかいました。

これは食パンではなく、カワラタケブロックを半分に切ったもの

穴をあけてニジイロクワガタのメスをぶっこむ

余ったカワラタケはボトルにいれて、カワラタケボトルにし、幼虫一本返し用にとっとく
こんな感じで、雑に組んだりました。
水槽のなかにダイソーで買ったコンテナボックスいれて、そのなかに産卵セットとメスをイン。
オスには外で待っててもらいます。

クリスマス産卵セット
沖縄飼育者なので、常温管理なのにクリスマスシーズンに産卵セットをつくる強気を発揮
メスはさっそくカワラタケをかじって潜り込み、26日間、ほぼ出てくることなくアチコチ穴を掘りまくってました。
(26日後に出てきたので、メスを取り出したました。)
※ちなみにメスを入れっぱなしにすると、卵を潰したり、幼虫を食べてしまったりする(おそらくタンパク質の補給のため)ので、ある程度したら取り出すのが正解です。
卵・幼虫の割り出し|2023/01/28
1ヶ月半で割り出しをしてみました。

産卵セット(1ヶ月半経過)

幼虫割り出ししまーす

玄関にプラケースをだして、独り休日にクワガタを割り出すタイプの幸福があったとは知らなんだ。楽しくて仕方ない

さっそくニジイロクワガタ幼虫を発見!
おぉーいるいる!

ニジイロクワガタの卵も発見

ニジイロクワガタの幼虫たちは、100均の製氷皿にいれていくと数を数えやすい
結果、卵8個、幼虫が15匹見つかりました。
ちょっとまだ使えそうな部分があったので、半分くらい残して、またメスをいれといた。
ニジイロクワガタは多産だそうですが、こりゃたしかに多産だな。
初めての飼育でも、こんなに産んでくれるとは……!
卵の孵化|2023/03/04
卵は割り出した材(カワラタケ)を優しくかぶせて、小さなケースで孵化まで管理。

ニジイロクワガタの卵はカップに土とともにいれて、もう1ヶ月、孵化するまで待つことに
小さなケースは我が家ででてくる豆腐のケースを再利用し、ラップかけて管理してます。これでオキナワノコギリの卵も孵化させたんや。
だいたい2週間で孵化すると言われてます。一応、ゆっくりめにかまえて1ヶ月待ってから確認することに。

ニジイロクワガタ卵から孵化した幼虫
だいたい1ヶ月経った頃に確認すると、卵8個中、7匹孵化。
あと謎に1ケースに2匹いたのがあったので、8匹になり、プラマイゼロ
オキナワノコギリよりも卵の孵化率が高い。頑丈な虫なんだなぁー。
幼虫の土交換|2023/03/04
結局、あのあとも生まれた卵やら幼虫がいて、なんだかんだ24匹に。
幼虫がいっぱいとれたので、いくつか育て方を変えて実験することにしました。
- A……カワラ菌糸ボトル(1000mL)で1本がえし
- B……発酵マットボトル(1000mL)で1本がえし
- C……発酵マット+ヨーグルトケース(500mL)で2〜3本孵し
ニジイロクワガタは菌糸で大きくなるらしいので、カワラタケブロックの一部をボトルに詰めたやつで、1本がえしを試してみることに。
ほかはマット飼育しますが、1本だけ容器サイズを変えてみます。
1Lの大きめケースで1本がえしと、小さめケースでマメに土交換だと、どうサイズが変わるかなと。
ネットの前情報だと、マットはマメに交換したほうが大きくなるらしい。
つまり予想だと、菌糸ボトル>ヨーグルトケース土換え>マットボトル、になるだろうと踏んでいます
※なんでヨーグルトケースかって?お金ないからだよ!……っていうのと、息子がいつかクワガタ幼虫飼育したいときに、これで育てられるなら気軽だと思って。
ヨーグルトケース幼虫の土交換|2023/04/26
キノコバエが発生しはじめたので、原因追求の一環でヨーグルトケースの幼虫たちをチェック。

ニジイロクワガタの幼虫
うーん……
大きくなってない。

ニジイロクワガタの幼虫。こちらはカワラ菌糸ボトルにいれたもの。でかい
写真だとわかりにくいですが、ボトルに入れていたやつの半分くらいしかサイズがない。
やはりヨーグルトケースは狭すぎるみたい
数本、実験用にヨーグルトケースにして、残りは次回の土交換でボトルに変えようかな。
↑私が購入したDDAismさんの楽天市場支店。
ニジイロクワガタ、値段的に購入しやすいけれど、一応、時期や個体によって値段が変わるので、よくみて好きなのを選ぶとよいですよ。(送料もあるから忘れずに。)
以上でニジイロクワガタの話はおわり。
以下は虫をやる人のマナー的なおっさんが好きな小言的なやつです。知っている人は飛ばしてください。知らない人は頭に入れておきましょう。
外国産クワガタの野外放虫はダメ絶対
いるはずのない日本国内で、ニジイロクワガタが「発見」されるニュースが散見されます。
飼育しきれなくなった人が放虫(勝手に逃しちゃうこと)したのだろうと推察されます。
これとっても大問題
自然環境に大きな影響がでてしまう恐れがあります
- 在来昆虫と競合することで、在来昆虫の生存を脅かす
- 放虫が繁殖することで、植物・野菜等の食害が起こる
- 在来種と交雑が起きることにより、種に影響がでる
- ウイルス、菌、寄生虫などが広まることで他生物に影響がでる可能性
生態系へのリスクがとってーもあるのです。
外国産クワガタ・カブトムシの放虫は現在、社会問題。
昆虫は増えてしまった場合に根絶が非常にむずかしく、甚大な被害が出ることがあり得ます。知らないでは済まされません。
放虫はダメ絶対
ニジイロクワガタのような素晴らしい昆虫を、いつまでも楽しみつづけられるよう、飼うなら死ぬまで責任をもって。
飼育マナーには十分に留意したいものです。